登山に興味はあるものの、事故や遭難のニュースを見て不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
特に初心者の場合、装備や知識をある程度調べていても
実際の登山中に「どう判断すればいいのか」で迷う場面が少なくありません。
私自身、登山を始めた頃に判断を誤りやすかった場面や、
今振り返ると後悔するような選択をいくつも経験してきました。
本記事では、そうした体験をもとに初心者が登山中に陥りやすい「判断ミス」に焦点を当てて整理します。
初心者が登山で事故を起こしやすい3つの判断ミス
登山初心者が安全に下山するためには、
技術や装備はもちろんですが「どのような判断ミスをしやすいか」を知っておくことも重要です。
ここでは、私自身が登山を経験する中で「初心者の頃に特に判断を誤りやすい」と感じたポイントを紹介します。
自分のレベルに合わない山を選んでしまう
初心者にありがちな判断ミスのひとつが、
自分の体力や経験に対して難易度の高い山を選んでしまうことです。
「標高が低いから簡単そう」「有名な山だから大丈夫そう」といった印象だけで判断すると、
登ってみて「思っていたのと全然違った」と感じることがあります。
私自身、標高が低いから楽だと思った山を調べてみると登山者がほとんど入っておらず、
道が荒れていることが分かった経験がありました。
そのとき、登山者が多い山のほうが整備されていて歩きやすい場合がある、という点に気づかされました。
山の難易度は、標高だけで決まるものではありません。
距離や傾斜、足場の状態など、複数の要素が関係します。
初心者のうちは、こうしたズレに気づきにくい点が判断ミスにつながりやすいと感じました。
天候や気温の読み間違い
山では標高が上がるにつれて天候や風の影響を受けやすくなります。
ふもとでは問題なく感じていた気温や服装が、
登山中に急に合わなくなるケースも少なくありません。
登り始めは汗をかくほど暑かったにもかかわらず、
山頂付近では風が強くて休憩中に一気に体が冷えてしまったこともあります。
出発時の感覚だけで判断していると、
こうした変化を想定しきれないことがあると感じました。
初心者の頃はふもとの天気予報だけ見て「大丈夫」と判断してしまいがちですが、
この楽観的な判断がリスクにつながる場面があると感じています。
まだ大丈夫だと判断して休憩や補給を後回しにする
初心者の頃に特に判断を誤りやすいと感じたのが、
「まだ疲れていないから大丈夫だろう」と考えて
休憩や補給を後回しにしてしまうことでした。
私自身も「まだ平気」という感覚を優先して行動を続け、
「気づいたら全然休憩してなかった」ということがありました。
また、同行した登山経験の長い人であっても
行動食を取らないまま歩き続けた結果、
登山の後半で明らかにシャリバテを起こしている場面を何度も見てきました。
(※シャリバテ=エネルギー切れ)
当時は「疲れたら休憩する」と考えていましたが、
今振り返るとその判断自体がズレていたと感じています。
休憩や補給は疲れを感じてから行うものではなく、
疲れる前に先回りして行うものだということを登山を重ねる中で学びました。
判断ミスを減らすために意識したい考え方
登山中は天候の変化や予定外の出来事など、
事前の想定どおりに進まない場面が少なくありません。
ここでは、これまでの登山経験を通じて
判断ミスを減らすために意識するようになった考え方を整理します。
登頂よりも「楽しく安全に帰宅する」を優先する
登山を始めた頃は登頂をゴールとして考えていました。
しかし、登山の成功は登頂そのものではなく、
無事に下山して日常に戻ることだと考える必要があります。
山頂が近づくと「せっかくここまで来たのだから」という気持ちが前に出てしまい、
判断が甘くなることがあります。
振り返ってみると、
無理に登頂した時よりも途中で撤退して温泉や食事を楽しんだ時の方が満足度の高い登山になっていました。
感じた違和感や不安を大切にする
登山中に「何となくおかしい」「この先は嫌な感じがする」といった
言葉にしにくい違和感を覚えることがあります。
初心者の頃はこうした感覚を
「気のせいだろう」と打ち消してしまうことが多くありました。
しかし後になって振り返ると、
その違和感は状況の変化やリスクを無意識に捉えていたサインだったと感じます。
根拠がはっきりしなくても一度立ち止まって周囲を見直すきっかけとして扱うことで、
判断を落ち着いて行える場面が増えました。
自分一人で判断しなくていい
登山中の判断は必ずしも一人で行う必要はありません。
グループで行動している場合は迷いや不安を共有することで、
視点が増えて情報が整理されることがあります。
ソロでも天候が荒れてきて登山を続けるべきか迷っていたとき、
先に登頂して下山してきた登山者に声をかけたことがありました。
その方から、
「この先は風が強く、苦労して登ったのに霧で景色も見えなかった」
「今日は無理をしない方がいいと思う」
といった話を聞き、その情報を判断材料の一つとして下山を選びました。
自分一人で考えていると、
どうしても「もう少し行けるかもしれない」という気持ちが混じりがちですが、
他の登山者から得られる情報が視野を広げてくれることもあります。
こうした外部の声を参考にすることも判断ミスを減らす助けになると感じています。
まとめ
今回紹介した判断ミスや考え方は、
登山初心者であれば誰でも陥りやすいものばかりです。
私は初めての登山で悪天候のため途中で下山した経験があります。
少し残念な気持ちもありましたが、
下山後に温泉で体を温めたり仲間とラーメンを食べた時間は
今でも印象に残る楽しい思い出になっています。
そのおかげで
「登山は必ずしも登頂する必要はない」
「普段行かない場所に出かけるだけで楽しい」
という感覚を持てたことは大きな収穫でした。
登頂できなくても、その一日が良い思い出になることはあります。
判断に迷ったときは
「今日の登山をどう終えたいか」
「無理をせずに楽しめる選択肢はないか」
と立ち止まって考えてみることが、
結果的に安全で満足度の高い登山につながると感じています。
